小説を一通り書き終えたあとがき的なもの

 小説を書き始めた最初のころ、アメコミ実写映画の話を書きました。世間の人がヒーロー=大きな力を持った異質な存在に「いかがなものか!?」と問うシーンが時折描写されていた、と。
 アメコミ実写映画はいろいろありますが、ヒーローに対する『劇中の世間』の反応が、日本のヒーローものの『劇中の世間』とは違うことに見た当初はずいぶん驚いたものです。『エトフォルテ防衛戦線ヒデ!』は、『日本のヒーローものの劇中の世間』に生きる人が、ふとしたきっかけからヒーローと敵対する、くらいの考えから始まりました。今から5,6年くらい前の事です。

 当初ヒデにあたる主人公は、ドラクロー(にあたるキャラ)たちにちょっとしたアドバイスをするお悩み相談のアドバイザー的なキャラでした。ドラクローたちがいかに人間離れしているとはいえ、ちょっとしたアドバイスをきっかけにヒーローに勝てるとは思えない。どうしたものかなあと考えながら、考え始めた当時はコロナ禍もなかったので近所のラーメン屋や定食屋で待ち時間に漫画を読み、サスペンス劇場の再放送を見たりしました。
 ラーメン屋に置いてある漫画、お昼にやってるサスペンス劇場、時代劇の再放送、洋画劇場。そこにもヒーローや悪の組織が描かれている。
 「こういうのを見まくって研究したら、犯罪研究家とか戦術アドバイザーになれたりして」
 と、ラーメンすすりながら他愛のないことを考えたものです。
 このネタを思い出し、ヒデはお悩み相談アドバイザーから軍師になりました。
 熱烈な映画マニアにして制作者志望の友人の影響で、ヒーローと敵対する”悪役”のノウハウを本気で身に着けた青年。その青年と命がけで協力関係を結ぶ龍の力を持った青年。彼らに協力する仲間たち。そこから少しずつネタを広げて書き溜めて、公開したのが昨年のこと。きりのいいところまで書ききることができました。

 書き終えた直後になんですが、当初エトフォルテ人には顔(頭部)に獣耳や角があるという設定でしたが、最終的に書き始めるころには頭部の形状は地球人とあまり変わらないというものにしました。ところが「ドラクローの額には小さな角がある」という描写が1年近くたった今もプロローグに残っていました。大変恐縮ですが、ドラさんの額に角はない、ということで修正させていただきます。申し訳ないです。

 いずれまた続きは書こうと思いますが、しばらく忙しいので更新をお休みします。

2022年03月27日