小説を書くときに気を付けていること。

 このサイトで小説を載せ始めてから、もうすぐ3年になります。
 ちょうど3年前。小説を書くのにいろいろ資料を集めて勉強していた時、「バクマン。」(原作・大場つぐみ、作画・小畑健 集英社)を読む機会がありました。
 主人公が友達とコンビを組み、少年ジャンプで漫画家を目指す、という話で、漫画=話の作り方について語られるシーンがふんだんに盛り込まれています。とくに1~5巻はバトル物を書くにあたり大切にしたいこと、を登場人物たちが語るシーンが多く、非常に参考になりました。
 諸般の事情により漫画が手元にないので内容はうろ覚えですが、3巻当たりでこんな教えが出てきます。

 「読者が見てわかりやすい世界を書くこと」
 「自分だけが楽しまず読者の気持ちを考えながら書くこと」
 「物語の山場と引きを大切に書くこと」

 ……私はきちんとこれらの教えを守って書けているでしょうか。改めて、よく考えないといけませんね。

 ただ、最初期に考えていた小説のネタよりは、良く書けているのでは、とも思っています。
 というのも、最初期のネタではこの小説、
 「みんなで頑張ってヒーローに立ち向かう」
 より
 「みんなで頑張ってヒーローに復讐するプランをあれこれ考えて、復讐する」
 という、復讐色が非常に強い話だったのです。
 まだヒデ(のポジションに当たるキャラ)は軍師と言うよりアドバイザーで、過去のいきさつからかなり厭世的になっていました。そこに、ヒーローにひどい目にあわされたドラクロー(のポジションに当たるキャラ)たちが出会ったらどうなるか。
 お話は否応なしに暗くなるし、バイオレンスな描写だらけになる。もう、バイオレンスなゲームあるいは映画の企画会議みたいなシーンばっかりになってしまって……。
 こりゃいかん、と。登場人物のバイオレンスを書くだけでは、人物の人生や覚悟を書くことにはならない、と判断し、ネタを考え直し、今みたいな形になっていきました。辛くて大変な状況だけど、みんなで前向きに笑って頑張れる話にしていこう、と。
 自己満足ではダメですが、仲間たちのつながりとか、背負っているものとかは、これからもきちんと書いていきたいと思っています。

 バイオレンスだけではいけないけれど、日本のヒーローものとの差別化を図りたかったので、戦闘シーンは最初期から考えていたバイオレンスな部分を残しています。
 体が傷つけば血は出る。スーツから火花が散って悲鳴を上げるだけでは済まない。私が読んできた小説や漫画などもそういうものが多かったので、バトルの描写は肉体感覚の痛々しさが伝わるような書き方をするようにしています。

2024年03月24日