小説本編、やっと更新できました……。
女性登場人物の視点で4話連続となったのは、今回が初めてですね。
文体崩して書きますが、
「あー! 俺ちゃんと登場人物の気持ち書けてんのかー!?」
……と、滅茶苦茶不安になりました。
巴はヒーローになった理由が後ろ向きだったこともあり、戦う気持ちの揺らぎや迷いが、味方側の登場人物の中では一番強い。そのあたりをうまく書けるかどうかが、今回更新した全4話の課題でした。あと、ジャンヌを始め女性同士で話す場面も多かったので、変になっていないか、何度も考えて書き直しました。
……うまく書けているといいなあ。
さて。
苦労話だけで終わるのも何なので、小説本編に登場した映像作品の設定や裏話をここに載せておこうと思います。
もしかすると、今後本編でちらり、と触れるかもしれません。
桜花幻闘記(おうかげんとうき)
小説原作の怪奇特撮チャンバラ映画。妻を惨殺された侍の桜木新左エ門(さくらぎ・しんざえもん)が、忍者や巫女とともに悪鬼率いる妖怪軍団にかたき討ちを挑む、というもの。今から約50年前の作品。
原作における美しさと妖しさ、そして激しさに満ちた死闘を約2時間に凝縮。京都や奈良の桜の名所を中心に撮影され、地元の着物屋やエキストラとして体力自慢の高校生、大学生が多数参加。殺陣師の貴翠山刀志は伝統的な時代劇の立ち回りに加え、自分が学んできた古武術の技法、海外作品の撮影手法をふんだんに映像に取り入れた。
ミニチュア、着ぐるみ、ワイヤーを駆使した当時最先端の特撮技術が導入され、海外の特撮・バトル映画マニアの間でも非常に高い評価を誇る。
映画は原作者も絶賛の出来栄えで優秀な興行成績を収めた。が、大量の血しぶきや暴力描写がお茶の間にそぐわない、ということで、次第にTV放送が控えられてしまうことに……。
やがて時代は海外映画全盛期となり、公開から40年もすると日本国内でも知る人がほとんどいない、マニアのみが知る名作となってしまった。
しかし、レトロ映画マニアを中心にクラウドファンディングで資金が調達され、デジタルリマスター化がなされた。本編開始の7年前で、ヒデと和彦が17歳の時の話。
貴翠山は生き残った数少ない製作陣の一員として、東京で開かれた発売イベントに出席し、ファンを喜ばせた。和彦を始め八十島一家は、高齢の貴翠山を気遣い同行。引退後、貴翠山が映像作品のイベントに出たのは、これが最初で最後になった。
高齢化していた製作関係者や主要キャストはその後、一人、また一人と亡くなり、最後の一人となった貴翠山は、イベントの3年後に他界。
小説本編の通り、葬儀は
「仲間がすでに亡くなってしまったし、S-GOOKを呼び寄せたくない」
という貴翠山の意向を汲んだ八十島家により芸能関係者には告知されず、風海町で小さく行われた。
後に貴翠山の死を知ったファンたちは、独自に追悼イベントを開いて彼の冥福を祈っている。
魔王のいけにえ
S-GOOKで放送されたTVオリジナルのサスペンスドラマ。
平和に暮らしていた夫婦の愛娘が、ある日突然事故で亡くなる。実は事故ではなく、娘が残忍極まりない不良グループに殺害されていたと知った夫婦は復讐を決意。不良グループに因縁を持つ中高年男女とともにチームを結成し、「魔王」を名乗って制裁を開始する……というもの。
不良グループに売り出し中の若手俳優たちを起用し、放送禁止すれすれの悪事を劇中でガンガンやらせたうえに、彼らが「魔王」たちにむごたらしく復讐されていくのが最大の見どころ。そして不良たちも「魔王」に復讐するべく、死に物狂いで抵抗を始め血みどろの報復合戦が始まる。
毎回どんな形で誰が死ぬのか? が話題を呼び、全20話の物語終盤はデスゲームさながらの展開に。最高視聴率は驚異の31%を叩きだした。
しかし、あまりにあまりな展開に、
「内容が残虐すぎる!」
「未来ある若手にこんなひどいことをさせて!」
「俳優たちのイメージが壊れた!」
「S-GOOKを襲ってやる!」
と、苦情と脅迫が殺到。とうとうビデオテープ化が見送られ、現在DVD化はもちろん再放送もされていない。懐かしのドラマ特集にも絶対に出てくることはない。和彦はビデオテープに録画したものを両親からなかなか見せてもらえず、高校卒業後にやっと見せてもらえた。
なんでこんなドラマを企画したのかについて、八十島夫妻は
「若手俳優がさわやかな青春物をやるのはありふれているし、他局がどうせ撮る。いっそ彼らが思い切り悪に振り切ったドラマを作り、存分に暴れさせたかった」
と語っている。ただし、やっぱりあれはやりすぎだった……という後悔の声も。こんな過激な話が放送された背景には、当時のドラマ部門の制作部長がおおらかで、チャレンジ精神にあふれていた、というのもある(この人は、ハニーレモンをぶっかけられた伊久佐部部長とは別人)。
いわくつきの作品だが、他の作品ではありえない演技ができた、勉強になった、ということで、若手俳優をはじめ主演キャストたちは意外にも参加できたことを喜んでいた。八十島夫妻はこの作品を機に、S-GOOKにおけるドラマ担当ディレクターの地位を確立。ほかにも尖った作風のドラマを世に送り出している。
今でもネット上では、当時の放送を録画したビデオテープが高値で取引されているとか、いないとか……。
サイト管理人が創作活動について徒然と語る雑記です。
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