小説「エトフォルテ防衛戦線ヒデ!」は、8月の更新で第78話まで到達しました。
ブログのほうで、小説を書くにあたり影響を受けた作品や音楽の話に触れてきました。
今回の創作雑記では、主人公ヒデにまつわる影響を受けた歌の話をしたいと思います。
もともとこの小説は7~8年近く前、
「日本のヒーローが当たり前に存在する世界があったらどうなるだろう?」
という思い付きから始まりました。
思いつくまま、私はいろんなネタを書いてPCの奥に眠らせ、2020年に本格的にネタを練り直しました。
本当に最初期のネタでは、エトフォルテ(にあたる人たち)を助けるのはヒデではない全く違う人物でした。ヒデは本当にアドバイザー的な立場で、あまり戦いには関わらない人だったのです。
最終的にヒデが主人公、そして軍師になるのですが、ヒデをどんな人物にするか、随分悩みました。最初期のヒデは、今とは性格や能力も違いました。話の雰囲気が壊れるので、詳しくは書きませんが。
世の中いろんな物語があって、いろんな主人公がいるけれど、私は困っている人を精一杯、頑張って助けるタイプの主人公がいいな、と思いました。
そう思った時、谷村新司さんの「階-きざはし-」という歌が頭に浮かんだのです。
昔、私が子供のころTVで流れていた歌で、壮大なメロディと力強い歌声、そして歌詞が印象的な一曲。
サビの部分で、次の歌詞が繰り返されます。
「あなたには あなたには 夢を信じていてほしい
僕は今橋になる 夢を渡らせるための橋になる」
(階-きざはし- より抜粋)
軍師として、人として、誰かの手助けを懸命に頑張るヒデを、第77話でこの歌詞への敬意をこめて書けた、と思っています。
ヒデは、誰かの人生の橋渡しを手伝う主人公。橋渡しのために知恵や言葉を懸命に絞り出していく人です。
歌詞、言葉のつながりが、人を前向きに動かすエネルギーに、物語に変わるように。
私自身がいろんな物語や歌に励まされたように。
ヒデやドラさん、リルラピス王女たちの言葉が繋がって、登場人物たちの力に変わっていけるように。これからもそんな形で話を書いていきたいと思っています。
最後になりますが、今回話を見返していてリルラピス王女の台詞を一部直しました。第75話のこの台詞です。
修正前:「私は、人に優しくあること、人を愛することを忘れない!そのために強くあり続けたい!そのためにも、叔父上。あなたは私が倒します」
修正後:「私は、人に優しくあること、人を愛することを忘れない!そのために強くあり続けたい!叔父上。国民を脅かすあなたは、私が倒します!」
そのために、がくどいので直しました……。王女様、申し訳ないです。