エトフォルテ防衛戦線ヒデ! 第四部あらすじまとめ

 第四部 

 第93話
 エトフォルテ墜落からクリスティア王国での戦いを経て、約2ヶ月が過ぎた。
 日本国民が天下英雄党とヒーロー庁、ヒーローと支援企業に厳しい視線を向ける中、雄駆名誉長官はレギオンの創始者枯城無砂士(こじょう・むさし)、日本初の魔法少女フェアリンである辺志江萌々(へしえ・もも)らと、エトフォルテ対策のためのオンライン会議を行う。


 絶対に表沙汰にできない言葉が繰り出される中、名誉長官は戦力を整えてクリスティア王国に陣取るエトフォルテを攻撃する意思を表明。レギオンとフェアリンに協力を要請する。
 萌々は自身が率いるMSU(魔法少女ユニゾン)ととも協力を快諾。
 が、レギオン・チャンバライズの無砂士は息子の瞬勢(しゅんぜい)ととも拒否。ヒーロー庁のこれまでの振る舞いを批判し、
 「新たな敵を相手にしていて、忙しい」
 という理由で、会議を退出してしまった。チャンバライズの活動を認めない言論団体が武装化し、『アイギス』を名乗って蜂起したらしい。


 エトフォルテ墜落以降、おかしくなっていく日本を憂い、すさまじい怒りと殺気を放つ名誉長官。
 「もはや時間がかかるのはやむを得ぬ。エトフォルテを始末した後は、協力したクリスティア王国。我らを疑った国民も、邪魔する者は全て始末だ!」
 ヒーローがあふれかえる日本で、新たな闇が蠢き始めた。


 第94~98話
 エトフォルテが墜落し、クリスティア王国で激闘が繰り広げられている中。
 八十島和彦は、アメリカで超薬の売人と疑われてFBIに逮捕されていた。
 やっと釈放されたのは、SLNによるスクープ映像が公表された後。アメリカで日本に対する不信が高まる中、和彦は故郷の風海町に帰ってきた。
 両親と友人のトミー、イッチ、オタキらに出迎えられた和彦は、夕食をともにしつつこれまでの出来事を振り返る。


 エトフォルテ墜落後、ヒデの遺体は炎上したショッピングセンター跡地から見つからなかった。風海町はエトフォルテ初上陸の地と報じられ、一連の騒動もあり観光客が来なくなってしまった。
 そして和彦は、アメリカでFBIに逮捕されたのを機に、日本の超薬が世界中に広まっていること、対策をきちんと取らない日本政府とヒーロー庁が信用されていない現実を思い知る。
 和彦たちは軍師ヒデの正体を自分たちの知るヒデと見抜き、ひそかに応援することを誓う。


 トミー達が帰宅した後、和彦は両親とともに昔を振り返る。


 小学1年生の冬。池に転落して生死の境をさまよった和彦は自宅にこもりがちになり、映画を見て過ごしていた。
 映画に勇気づけられた幼い和彦は、映画監督を志す。
 やがて両親の転職を機に東京から千葉県風海町に移住。殺陣師の貴翠山刀志(きすいざん・とうじ)から、映画作りと剣舞のイロハを学びはじめた。
 小学5年生になり、お笑い芸人を夢見るトミーと知り合った和彦は、トミーの提案で中学校で映画研究部を作ろうと決意。トミーの連れてきたカメラに詳しいイッチを加え、約1年かけて脚本を書いた。『震える沼』というサスペンスだ。


 和彦はこの作品のキモとなる殺人犯を、クラスメイトの真稔秀春(=ヒデ)をイメージして書いた。なので、ヒデに殺人犯を演じてもらいたいと考える。
 映画研究部にヒデを誘ったものの、和彦は肝心の脚本を説明し忘れる、という大失態を侵してしまう。
 殺人犯のことをあとで聞かされたヒデは、当然のごとく入部拒否。
 ヒデに断られた和彦は泣き出し、しまいには
 「おいいいいい! 俺が才能のない人間を殺人犯にすると、本気で思ってんのか! やれよ!」
 と、滅茶苦茶な勧誘を実行。とうとうヒデは、映画研究部にきわめて仕方なく、という形で入部した。
 さらにこのあと、キックボクシング経験者のオタキが風海中学に転入してくる。和彦の誘いに乗ったオタキは入部を決め、映画研究部は5人で旗揚げ。協力者を集めて撮影を開始した。
 撮影のクライマックスで警察がやってくる、というトンデモなアクシデントがあったものの、『震える沼』は無事上映され、人気を博す。
 和彦は映画を見に来たヒデの祖母・千代から
 「八十島君、これからも秀春をよろしくお願いします」
 と頼まれた。


 第99~100話
 『震える沼』の撮影後。
 次回作の準備をしていた和彦は、木刀の振りすぎでテニス肘を患い整形外科に通院する。そこでヒデの祖母・千代に出会う。
 和彦は千代から、
 「あなたの映画の世界に付き合う人たちへの優しさを、忘れないでほしい。友情。愛情。尊敬。人を大切に思う気持ちを忘れて前に進んだら、駄目よ!!」
 という、生涯忘れることのない大切なアドバイスをもらう。
 以来、和彦は映画作りに協力してくれる仲間への態度を改め、一緒に頑張っていけるよう心を配る。
 その結果、協力したい! と名乗り出る者が一気に増え、最終的に中学三年間で長編短編あわせて7本の映画を作るに至った。


 そして迎えた、中学の卒業式。
 式の後、和彦はヒデ、トミー、イッチ、オタキらと部室で語り合う。
 ヒデは和彦らと高校には行かず、地元の蕎麦屋『どらさん』に就職する。創設メンバーとして頑張り、一足先に社会人になるヒデを応援するため、和彦たちはヒデにトロフィーをプレゼントする。お前は映画研究部における最高の主演男優賞だ、と評して。
 「本当にありがとう。みんなで一緒に過ごした3年間が、これから始まるお前の蕎麦屋人生の幸せな原動力になることを、祈っている」
 和彦の感謝にヒデも、
 「幸せな原動力。いいね。僕はこれから、蕎麦でみんなを幸せにする。映画研究部で得たものは、絶対に忘れない」
 と答え、仲間たちは笑い合って中学を卒業した。


 高校生になった和彦は、トミーらと映画作りに精を出す傍ら、留学に向けて英語を学び、アルバイトで留学資金を貯め始める。
 町民ラジオのラジオドラマ脚本も頼まれ、ヒデを演者として誘った。和彦は夢を追う力を、確実につけていった。
 忙しくも幸せな生活は、高校三年生の夏に突如終わりを告げる。
 風海町で魔法少女フェアリンが怪物と戦い、千代が巻き込まれて死亡。さらに付近に住んでいた夫婦も巻き添えで死亡し、彼らの息子が自殺を図るという大惨事に発展した。
 和彦は悲しみに暮れるヒデのもとを訪ね、かつて千代から託されたアドバイスを伝える。
 アドバイスに励まされたヒデは仕事を再開したが、千代の死はヒデと和彦、風海町に暮らす人々の心に暗い影を落としていた。それはフェアリンだけでなく、輝くヒーローたちが日本中のあちこちで振りまく、怒りと悲しみに満ちた影であった。


 夏の悲劇を起こしたフェアリンたちは、やがてMSU(魔法少女ユニゾン)結成を高らかに宣言。主要メンバーは風海町にいた者達だ。
 が、怪物を投げた張本人のフェアリン・アップルは、何故か姿を見せなかった。
      

 第101~102話
 千代の死から二年後。
 二十歳になった和彦は、アメリカの映画専門学校への留学準備を進めていた。
 この年の春。和彦の師匠である貴翠山が体調を崩して入院。八十島家は身寄りのない貴翠山から財産の引継ぎを頼まれる。和彦は師匠の身を気遣い、家族と交代で介護を続けた。
 秋になり、いつものように貴翠山の家を訪れた和彦は、貴翠山を激しく詰問する男たちと遭遇。襲ってきた男を組み伏せると、彼らはかつて両親が勤めていた東京のTV局『S-GOOK(エス・ゴーク)』から来たと発覚する。
 さらに男は和彦が父・八十島誠の息子だと見抜き、
 「お前の親はS-GOOKとチャンバライズに逆らって、情けなくクビになったんだよ!」
 「お前なんか、家族そろってハニーレモンだ!」
 と、謎の捨て台詞を残し逃走した。
 混乱する和彦は、貴翠山、そして両親から、次々と衝撃的な事実を告げられる。


 貴翠山がかつて剣術を教わった「義兼先生」の血筋が、ヒーローや悪の組織とも敵対する第三勢力「神剣組」にいる。S-GOOKはレギオン・チャンバライズと結託し、神剣組を探っているという。
 そしてレギオン・チャンバライズは、八十島家の人生を大きく変えていた。
 和彦が池に落ちた事故の真相は、チャンバライズ率いる枯城無砂士の孫にして瞬勢の息子、枯城刹修(こじょう・せっしゅう)による、悪意に満ちた突き飛ばしであった。
 このころすでに、S-GOOKはチャンバライズとつながりが深かった。S-GOOK上層部から犯人探しをするな、と口止め料を渡された両親はこれを拒否。が、上層部は口止め料を無理やり渡そうとしてきた。
 和彦の母は抵抗し、上層部の一人の顔面にハニーレモンソーダをぶちまけた。口止め料をめぐる口論はとうとう暴力の応酬に発展。襲い来る上層部をパイプ椅子で叩きのめした両親は、S-GOOKに退職金と給料を返上して退職。知人の映像クリエイターを頼って千葉の映像制作会社に就職。風海町に転居した。


 一連の出来事に、言葉を無くす和彦。
 下手に騒げば今度はヒーロー庁やチャンバライズがやってくる。身近な人を危険に巻き込む、と貴翠山から釘を刺された八十島家は、一連の出来事を誰にも言わないと決める。
 やがて年が明けると、貴翠山の体調はさらに悪化。
 見舞いに訪れた和彦に、死期を悟った貴翠山は
 「人生と言う戦場の中では、己の絶対に譲れない強い気持ち、本気が、もっとも必要なのだ。お前も本気でやれ」
 と、映画作りで必要な心構えを伝える。義兼先生から剣術を学んだ日々を振り返り、神剣組を信じてほしい、とも。
 「最後にいい弟子を、映画を愛する年若い同志を得た」
 貴翠山は和彦に感謝の気持ちを伝えたのち、この世を去る。


 そして今。
 帰国した和彦は、貴翠山の墓前でヒデたちの戦いを見届ける決意を伝える。
 映画監督を志す者として、ヒデにバトルの知識を仕込んだ者として、和彦は奮い立つ。
 「見届けた暁には、全部映画のネタにする!」


 第103~105話
 クリスティア王国で起きたブロン一派とユメカムコーポレーション、そしてデストロを交えた三つ巴の死闘を制したエトフォルテとリルラピス女王たち。
 戦いから3ヶ月が経過し、エトフォルテの修理と襲い来るであろうヒーローたちへの対策が始まった。
 クリスティア王国ではやる気にあふれる者達が集い、エトフォルテでは怪我から完治した巴が力の部に加入する。
 ヒデは巴の歓迎会で『ボイスチェンジライブ』をみんなからリクエストされて戸惑ったり、エトフォルテ人との年齢差に驚いたり……。いろいろな出来事を経て、仲間たちとの距離感は、より親密に近づいていく。


 エトフォルテの修理が始まったある日。
 ヒデはドラクローから、今後の十二兵団の組織編成について相談を受ける。
 今後、新たな団員を育てて十二兵団を再編成するにはどうしたらいいか? 
 悩む二人は、試験農場にいるリーダーの伊橋を頼る。エトフォルテの組織改革に協力できそうな人はいないか、と。
 伊橋は露口という男を推薦する。組織構造学や古来の兵法を学んだ、組織編成のスペシャリストだという。もともと高鞠総理の会社で働いていたというが、会社から嫌がらせを受けて退職。蕎麦農家となり、ここでは蕎麦を作っている。
 ヒデとドラクローは露口に会い、エトフォルテの組織編成を手伝ってほしいと頼む。
 高鞠総理の会社にいた自分の過去を気にしないのか? と問う露口に対し、ヒデとドラクローは
 「あなたの育てた蕎麦は、本当に美味しかった」
 「これだけいいものを育てる人が、悪い人なわけがない。いいものは、いい人からしか作れないからな」
 と、感謝の気持ちを伝える。二人の態度に感じ入った露口は組織編成への協力を正式に申し出た。
 露口の協力を得て、約1か月で新たな組織体制ができあがる。今後の対ヒーロー戦略の最重要課題として、エトスと魔術を組み合わせた新武装の研究開発も始まった。
 
 
 第106~107話
 エトフォルテとクリスティア王国は、クリスティア王国で働く日本人に感謝の気持ちを伝えるため、試験農場で食事会を開くことを決定。
 ヒデは「料理人ハル」として、食事会での調理を手伝う。調理の合間に休憩時間をもらったヒデことハルは、威蔵の仲間である半次、自他ともに認める凄腕コーヒー農家の賀茂、農場のリーダーの伊橋と農作物について語り合う。
 クリスティア王国では、水の魔術機構のおかげで農作物が早く育つという。一次産業を志す者にとって夢の国だと伊橋は語るが、一方で
 「あの黄色い果実だけは育たたなかったわね」
 と、ひとつだけ育たなかったものがあると話す。ユメカムが持ち込んだ『F』という果実で、どんな味がするのか、どんな効能があるのかは誰にもわからずじまいだった。


 半次らと話を終えたハルは、露口と再会。
 蕎麦について楽しく語り合うと、露口は自分の過去を根掘り葉掘り聞かなかったドラクローと軍師ヒデの配慮に感謝し、
 「やっぱり、俺を信じてくれた人たちに伝えたい。君なら、団長と軍師の友人として、うまく伝えられるだろう」
 と、高鞠総理との間に起きた出来事を教えてくれた。
 高鞠総理と彼の父親は、かつて高鞠未来ビジネスという会社を経営していた。デジタル新時代を生き抜くための知恵を授ける、ビジネスアドバイザーの専門会社だ。露口はそこで働くうちに、高鞠の邪悪な一面を垣間見てしまう。
 強引なビジネス指導。失敗の隠蔽。
 数々の邪悪な行いは、露口の手柄や報酬を奪うまでにエスカレート。抗議した露口は会社からすさまじい嫌がらせを受け、退職せざるを得なくなったという。
 あまりに暴力的な手口から、露口は高鞠が殺人、あるいは暴行か何かの悪事を働いていた、とまで推測。この先、高鞠総理を絶対に信用するな、とハルに釘をさす。


 ハルと露口が語り合うところに、ドラクローとリルラピス、農場で働く日本人たちがやってくる。
 農場で働く者たちは、素薔薇国防大臣は農業大臣だったころはまともだった、と昔を懐かしみ、フェアリンになった娘たちに頭を馬鹿にされたに違いない、と憤る。
 みんなで天下英雄党への不平不満を口にするうちに、リーダーの伊橋は
 「今日本が抱えている問題も、エトフォルテとクリスティア王国で起きた問題も、もとはといえば私たち大人が天下英雄党を与党に! ヒーローによる日本を! なんて、望んだのがいけないんだわ」
 と、ヒーローを信じた自分たちを恥じ、ドラクローとリルラピスに日本人の過ちを謝罪する。
 謝られた二人は伊橋らを励まし、
 「ちゃんとみんなが日本に帰れるまで、エトフォルテが必ず守る。みんなが、きちんと家に帰れるようにする」
 「私、皆様のこと、そして日本のこと大好きです。父の信頼は、私が引き継ぐ。そしてエトフォルテとともに守り抜きます。必ず」
 と誓う。
 彼らの勇姿を見届けるハルもまた心の中で、軍師ヒデとしてドラクローたちと頑張ることを誓った。


 

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